大安吉日ノーテンキ

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今年入社した北海道出身の青年に「今度、母が東京に出てくるんですけど、何処に連れて行ったらいいですかねぇ」と聞かれた。そりゃぁ、おっかさんを連れて行くなら、浅草の雷門、上野の西郷さんの銅像がある広場、そして東京タワーでしょう。

せっかく教えてやったのに「真面目に考えて下さいよ」と、言われてしまった。私としては真面目に考えたのだが。「おかあさんて幾つよ」と、聞いてビックリ。聞かなきゃ良かった。「母は、学生結婚でしたので43かな、いや4になったのかな」って。その年齢じゃ島倉千代子さんご推奨の地にも「真面目に考えろ!」と言いたくなるでしょうよ。私が入社した時、大先輩の女性の前で生まれた年を口にしたら「私が入社した年よ!」とショックを隠さずに言われたっけ。あの大先輩の、その時の気持ちがよく分かる。

さて、さて43だか4だかの若いお母さんには、この孝行娘(私よワタシ)が喜寿の母を連れ回した東京名所をご紹介しよう。

母は電車に乗った途端に喜寿から米寿、白寿に変身して必ず座席をゲットする。先日は隣の車輌からまで「こちらにどうぞ」という声がかかった。その時は、ほっと席にかけるのだが、下車すると「席を譲られるようなおばあさんに見えたのかねぇ」なんて言い出す始末。とにかく口は達者なのだ。だから気に入らない所へ連れて行ったりしたら後で煩い。最初に母が私を訪ねて上京して来た時は責任転嫁。自分では考えずに、はとバスにお任せすることにした。

まずは六本木の香港ガーデンという広い広い中華料理店での食べ放題。母は“食べ放題”が大好きなのでテーブルにお皿を並べてご機嫌である。その上この店は、デザートを除いて、自分から料理の所まで足を運ばなくても、熱々の飲茶が次々とワゴンに乗せられて回ってくる。子供がおもちゃでも待つようにソワソワ・わくわく。ワゴンを押す店員さんにあれこれと頼んでは、そりゃぁもぉご満悦だ。

お腹が満たされたところで次に向かったのは、やはり六本木にある“金魚”というお店。ここは、新宿の“黒鳥の湖”や“グッピー”などと同じくニューハーフが歌って踊るショータイムが売りのパブ。最初から内容を言ったら「行かない」と言い出しかねないが、はとバスに乗せてしまえばコッチのもの、目を丸くしようが三角にしようがお気に召すままにしてもらおう。東北からいらしたという中年のご夫妻と一緒のテーブルに案内され、卓ごとに用意された飲み物や食べ物を吟味していると、華やかにショーの始まり。最初のうちこそ「私は何も知らずに連れてこられたんですよぉ」なんて、ご夫妻に向かって言い訳をしていた母だったが、だんだん身を乗り出して見入っているのが分かる。「フー」「はぁ〜」とため息。「本当にオトコォ?」「細いねぇ、綺麗だねぇ」。そして最後に勢揃いのアイリッシュダンスでは、整然とした美しさに女性だろうが男性だろうがニューハーフだろうが関係無いほどの迫力と華やかさがあった。もう母は夢中。出口で見送ってくれた“お姉さん”に頼んで、一緒に撮らせてもらった写真には母の満面の笑みがこぼれている。でも、どう見ても女性のはずの母が引き立て役よねぇ。

次々建った東京の大型ビル。丸ビル、OAZO、汐留、そして六本木ヒルズにも行きましたっけ。大手町のおすし屋さんに寄ってから丸ビルに行った時は、丸の内界隈を巡回している無料バスを利用させていただいた。途中パレスホテルで一休み、なんと塩爺こと元自民党総務会長の塩川平十郎翁にも遭遇した。帰ってからの話のタネができました。しばらくは、ホテルのロビーに置かれた高級そうな椅子に身を任せハイソな気分に浸ってみる。そして、乗るのは又もや庶民の味方、無料の巡回バス。お堀に沿って走るバスの窓から、帝国劇場や戦後マッカーサー元帥が連合国総司令部をおいた第一生命館、国際フォーラムを見て、丸ビルに程近い停留所で下車。「エッ、これが丸ビル?」と疑問を投げかけてくる母。お母さん丸ビルは丸くなんてないんだよ。

東京駅前には丸ビルと対角線にOAZOなるビルができた。その由来はエスペラント語の「憩いの地(オアシス)」。丸の内(マル)と大手町(オー)をつなぐエリアで働く人々や暮らしの潤いを求めやってくる人々に、全て(a to z)を与えてくれる空間、とすごく欲張った名前のついたビルも見学した。

さて東京駅をあとに、今では誰も呼ばないE電に乗りふたつ目の新橋駅で降りる。そしてユリカモメに乗って汐留へ。「ゆりかもめ、ゆりかもめぇ」と初めての乗り物を思い浮かべながら歩いていたら、着いてますよ汐留に。新橋駅から続いてるじゃん。ここで母が見たのは「丸くなった背中が伸びるようだ」と、見上げるビル群と“ハンガーマン”なる大道芸人の繰り広げるバランス芸。その後、ちょくちょくテレビにも顔を出しているようで、その都度母から電話がかかってくる。

ホリエモンもおわすと、益々有名になった六本木ヒルズにも行きテレビ朝日のブースで“ドラえもん”と握手をして記念撮影もいたしました。そう言えばお台場ではフジテレビの人気もの“コニーちゃん”とも握手して“ゴリエ”の像の前でも記念写真を撮ったのだった。

このくらい、東京の新スポットを紹介すれば新人君も納得してくれただろう。で、休み明けに新人君に聞いてみた。「どこに案内したの?」。ところが、その答えは「母は、私の部屋に入るなり、汚い汚いって掃除ですよぉ」。結局、お母さんは東京に滞在された3日間を掃除、洗濯、料理に明け暮れて帰って行ったという。意味無いじゃん。でも、新人君のお母さんにとっては東京見物よりも、可愛い息子の面倒をかかりっきりでみることができたことの方が嬉しかったのだろう。親にはそれが生きがいなのかも。よし、私も次回の母の上京時は思いっきりこき使ってやるぞ。いやいや、そんなことをしたら、あの母の場合は後が煩いだろうなぁ。

行列が嫌いだ。ミーハー気質ではあるので、人だかりがしていると「なんじゃ、なんじゃ」と覗いては見たいが、行列の最後部に並ぼうという気はまったく起きない。だって、この姫体質よ。〔1時間待ち〕なんていうプラカードの後ろに並んだら、たちまち貧血を起こして倒れてしまう。

中学生や高校生の頃、何度保健室に運ばれたことやら。ある日の朝礼では、生徒たちから嫌われていた教師が、校庭の朝礼台の上に乗って、何か声高に話していた。其の時、立っているのがやっとというほどの貧血症状。列の目の前の友達の背中に触れて「気持ち悪い」と訴えた。すると彼女は振り返りはしたものの「ホント、気持ち悪いよねぇ」とだけ言うと、クルリと踵を返してしまった。私が単に、壇上の教師を気持ち悪がっていると取られてしまったのだ。その途端に私はガマンできず、しゃがみ込んでしまった。そして、実情を悟った彼女に謝られながら又しても保健室へと運ばれたのだった。

高校三年生の時、日本で初めての万国博覧会があった。名古屋ではなくて大阪ですよ。学校が、本来は二年生で行く修学旅行を三年生に延期して、わざわざ万博見学に組み替えてくれたのだ。其の時も行列が嫌さに、同じように軟弱な精神の持ち主の友達と名前も知らない異国の、がら空きのパビリオンや、果ては人影すら無い日本庭園なんぞをのんびりと歩いていたものだ。当然、アメリカ館の目玉「月の石」も見なければ、太陽の塔すら記憶に無い。ところが「月の石」は万博で行列に並ばなくても、後年、見るだけじゃなく触ることまでできたのだから私って、やはり普段の行いがいいってこと?

「私の記憶が正しければ」日本橋高島屋特設会場で、アポロ展というような催しが開かれた。もう20年も前だろうか。その時に、あの「月の石」に触ることができたのだ。シャーレのようなガラスケースに固定された3センチほどの石、それは想像していた軽石のような表面ではなく、つるりとして金魚鉢の中にでも入っていそうな、ブルーがかった灰色のものだった。触れるだけでなく「あなたは月の石を触りました」という名刺大の証明書までもらえた。

この春に、その「月の石」を一緒に触った、近所の子供だったところの青年と母を連れ、横浜のラーメン博物館に行ってみた。日本で初めての食べ物に関するテーマ・パークであるラーメン博物館は、ラーメン大好きな母を是非とも連れて行きたい所だった。昨年の夏、お台場のヴィーナスフォートに行き、本やテレビで見るラーメン博物館の風景と重ねていたものだ。

ところが、なんなのさぁ。混んでるなんていう生易しいものではない。3階建の2階部分に店舗があるのだが、8店舗の客がテーマ・パークの広場を占領して列をなしている。その喧騒たるや。昭和へのノスタルジーからか照明も薄暗いし、どことなく埃っぽい。思うように身動きもとれやしない。もう、ハナから列に並んで食べることはあきらめた。因みに一番短そうな列でも〔40分待ち〕。せめて記念撮影だけでもとデジカメを構えると、駐在さんの格好をしたスタッフが飛んで来て、おどけながらシャッターを押してくれる。押し合いへし合いで階段を登り、赤地に白で「たばこ」と書かれたホーローの看板が下がる懐かしいタバコ屋さんの前で、もう1枚と考えていると今度は駅員さんだ。こちらも愛想よく構図も考えながら「はい、ラーメン」。スタッフが、あんなに一生懸命に動き回っているのに、あの狭さではそのサービス精神も生かしきれないのではないだろうか。もったいないなぁ。

ラーメンを食べるために入場料を取られるという不平は耳にしていたが、田舎から出てくる母に、懐かしい昭和30年代の風景を満喫してもらい、大好きなラーメンもより取り見取りに選んで食べてもらえるなら文句は無いと思っていた孝行娘も、何ひとつ満喫できずの入場料300円也では文句タラタラです。家に帰り、インターネットで「横浜 ラーメン博物館」を引っ張って来たら、ご意見受付のメールアドレスがあった。ご意見、言わんでか。「どしてくれる、責任者出て来い」と思いっきり苦情メールをいたしました。

その返答が「当日は浜崎あゆみのコンサートが近くで開催され、人出が多かった故と思われます」だって。こんな答って“あゆ”? モトイ、ありですかぁ。

後日、実家で、この混雑を義妹に話すと義妹は悠然と言ったものだ。「そのくらい待つの当たり前ですよ」。じゃぁ、待って食べたのかと重ねて聞くと。「食べましたよ、何処に行っても有名な所はみんな行列ができてますから」。両親、長女である私、長男である愚弟のネーティブ姫宮一家は、何処に行っても行列に並ぶということはしない。並ぶくらいなら食べない、見ない、欲しがらないという性分なのだ。そう言えば、花粉症の話が職場で出た時「姫宮家では義妹以外、姪も含めて誰も罹っていません」と言ったら、上司がいみじくも仰ったっけ。「やっぱり嫁は他人だな」と。やはり義妹は、どこまでも他人だったのだ。

行列は嫌いです。ただし、バラを抱えた殿方が姫宮めがけて門前市をなすのであれば、その限りではありませんが。

2005-06-12 日

裸の清掃士

大雑把なO型ゆえ、とても綺麗好きとは言えないが、さすがに汚ギャルのような生活はできない。めんどうではあるが、ちょっと見、汚くはない程度に掃除することはする。リビングは掃除機をかけてクイックルワイパーで床をなでる。カーペット敷きの寝室は掃除機を「強」にして一回りした後、コロコロで抜け毛や塵を取り除く。20分もあれば一丁あがりである。

お次は窓。ガラス拭き用スプレーや、お知恵拝借番組でよく出てくる新聞紙「インキがちょうど良い塩梅です」ってのも試みたが、私のお勧めはワイパー式拭き取り法だ。市販のスプレーで、窓ガラスに○や×を描いたり字を書いたりしながら汚れを拭き取るのは楽しいし出来上がりはピカピカになる。しかし、私のような粗忽者は開けてあると気づかずベランダから窓ガラスに向けているつもりでスプレーを吹きかけ、ベッドを濡らしてしまうということもやっちゃうんだな、これが。だって「窓ガラスがあるかどうか確かめてから噴霧して下さい」とは書いてないんだもん。新聞紙にいたっては自分の手ばかり真っ黒になって肝心のガラスの方は???

さてワイパー式だが、街で見上げるとゴンドラや、中にはブランコのような形態で高いビルの窓を外から拭いている人たちを見かけることがある。高所恐怖症には無理・無理だが、煙とナントカは高いところが好きだもので、大いに興味をそそられる。そしてリズミカルなあの技はどうよ。♪チムチムリンチムチムリンの煙突掃除屋さんよりも、ずっと楽しそうだ。是非ともあの技を真似てみたいと思っていた矢先に、大井町は丸井内にあるダイソーで、あのゴムベラのついたT字型の器具を目にした。ゴムの長さは20センチ強と、やや小ぶりではあるが本職ではないのだからこの程度でガマン。ダイソーのレジで「お幾らですか?」って喜色満面でたずねたら「税込み105円です」ってシラーッと答えられてしまった。この105円が、なかなか使い勝手が良い。バケツに水と雑巾を入れて、いざベランダへ。バケツの中から、びしょびしょのままの雑巾を引っ張り出し、そのまま窓ガラスをなぞる。水がしたたる窓ガラスの上から下へT字のゴムつきヘラをツツツと引き下ろす。これを端から端へと続けるとあぁら不思議、あなたの窓ガラスはピカピカよ。びしょびしょの雑巾でなぞる時は、服の袖に水が入り込まないように注意しないと大変だが、それ以外は鼻歌気分でアッと言う間に、面倒な窓掃除が終わってしまうという寸法だ。ただ、これ内側からやったら、あなたのお部屋はさぁびしょびしょよ、ですからね。

次は、お風呂場と行きましょう。数年前まで賃貸で住んでいたワンルーム・マンションの浴室はトイレと一緒の、それはそれは狭いユニットバス、洗い場などないやつだった。慣れてしまえば洋画のヒロインよろしく、泡風呂に優雅に体を浸していたものだが、入居当初から備え付けの鏡の枠も錆び、壁もカビが目立っていたのが哀しかった。だから、自分の持ち家であるところの、今のマンションの浴室は絶対にカビさせたくはない。もちろん浴室の鏡の枠が錆びるのももっての外だ。

テレビなどで聞く“識者”や、知り合いの話を総合すると浴室を濡らしたままにしているのがいけないとの結論にいたる。それならと、お湯は上がったら即抜いて鏡をはじめ壁、床、届く範囲の所は全部拭き、直ぐに換気をする。さすがに、お湯は母の「何かの時のために湯船には、お湯を張ったままにしておきなさい。細木数子も言ってるよ」のお言葉に、即抜くことは止めたが水気を拭くのと換気は続けている。

しかし、暫くして足元の排水溝に渡してある、簀状の3枚の板を裏返して見た時にはゾッとした。汚かったねぇ。それからは定期的に簀掃除。ある時思いました。排水溝の上に簀は要らないと。そして簀破棄。これで簀が無くなった溝を洗い流せば綺麗、綺麗。ン、排気口の上の「髪の毛まとめてポイ」、これも貼り付ける糊状の物が気にかかる。これもポイ。それからは洗髪したら、その場で髪の毛まとめてポイ。とにかく、何かあればそれが汚れの元になるのだから要らないものは排除です。シンプル・イズ・ベスト。シンプル・イズ・ビューティフル(みんなカタカナなのがスゴイ)。そんな目で見ていると、外せそうな所がありました。浴槽の下にも秘密の(?)排水溝があり、どうもその蓋にあたる部分のようだ。その蓋を開けて驚いた。正に私はパンドラの箱の蓋を開けてしまったのだ。出るわ、出るわヘドロ化した湯垢。シャワーで浴槽の下に水を送りこんでみたが、そんな程度では歯が立たない。洗面器に水をため、力任せに浴槽の底に向けて水をぶっつける。ドロ・ドロ・ドロ・ドロと、こびりついていた湯垢が浴槽の裏側から剥がれて流れ出てくる。「となりのトトロ」で真っ黒くろすけがコロコロ出てきたような様相で、なかなか治まらない。奮闘すること30分、もう腰がもちません腕が震えてますという頃になって、やっとこ真っ黒くろすけのいない水が返ってくるようになった。それ以来入浴の度に、湯船のお湯を洗面器に入れて力任せにぶち込んでいる。

それでも床や壁には湯垢やカビが忍び寄って来る。今の一番の強い見方はカビキラー。気になるところに吹き付けて数分後、水で流せばアッと言う間にカビが、湯垢が消えてしまう。なぁんだ、最初からこれを使えば良かったんじゃん。でもね、人生幾山川を乗り越えて桃源郷にたどりつき、その有り難味が分かるのよ。ナンテネ。

今夜もまた、何か捨て去れる物は無いかと湯船で瞑想(?)する“裸のマヤ”ならぬ“裸の清掃婦”がいるのだった。もしかして今の時代は清掃士と言わなきゃいけないのかな。

2005-06-05 日

五反田ベスト5

テレビ東京に『出没!アド街ック天国』という番組がある。私の勝手な解釈では、ドラマチック+アドバタイズというところから来ている、街の広報番組だと思うのだがどうだろう。毎回1つの街を取り上げては愛川欽也らレギュラー陣と、その街にゆかりのあるゲストが賑やかに、その見所を語り合う。先日は、この番組に我が品川区は五反田が2度目の登場と相なった。最初に取り上げられたのはいつだっただろう。まだ10年もたっていないはずだが、大分様変わりした気がする。

桜が散って

番組では、ベスト30から取り上げるのだが、ここではちょっとはしょってベスト5から。5位はなんと“有楽街”、しかも特徴は「3S」と呼ばれる「性感・SM・出張人妻」という3つのSだって。以前「五反田に住む有名人は多いのだが、なぜか五反田と言わずに品川方面と答えたがる」という話を聞いたことがある。なるほどねぇ、原因が分かった気がします。

因みに4位はガラッと変わって、島津山は清泉女子大学。3位がゆうぽうと(東京簡易保険会館)で、2位にTOC(東京卸売りセンター)、そして栄えある第1位は劇団四季のキャッツ・シアターという結果に。最後に番組出演者がつける街のキャッチフレーズも「猫のいる街」に決まった。でも私、この意見には異議あり。劇団四季のミュージカル『キャッツ』は私も見ており、その素晴らしさは知っている。しかし、昨年11月にオープンしたばかりの新参者に、1位をさらわれていいのか五反田! そう言えば、前回登場した老舗の“五反田せんべい”も姿を消していましたっけ。串揚げ居酒屋で、その命名に感銘すら受けた“中中や”(縦に並べれば串)も登場してこなかったし。薬丸君一押しの不動産屋もこの度は推されなかった。

それなら、このワタクシがワタクシ的ベスト5をあげてみようじゃないの。まずは5位、同率で2人のイケメン店員さん。東口、東急に近いセブン・イレブンの店員さんはキムタクを小柄にして若くした感じ。自分で似ているのを意識しているらしく、そのテレが可愛い。もう一人は、都営浅草線高輪台駅に近いスーパーの、こちらも小柄なベッカムさま。耳にも鼻にもピアスが光り、指にも腕にもシルバーの指輪やブレスレットが賑やかだ。髪はブロンドに染められて鶏冠のように直立している。ところがレジで客に対する態度は、ヨン様のように優しい微笑みと柔らかな物腰なのだ。どちらも週に1度は拝見したくなるなかなかの“美景”と言える。

4位、ポロロッカ食品館。こちらもスーパー。五反田駅周辺にはスーパーが無い。いわば東急ストアの独占なのだ。なので、高いし種類も少ないし、品質にも疑問がある。そこに昨年の夏、待望のスーパーマーケットがオープンした。さほど広くはないが惣菜はかなり充実している。意見があれば用紙に書いて出すと、店長の返事とともに店内に張り出される。「○○社の××を置いて下さい」という要望から、店員への苦情となかなかシビアなものも隠さず張り出してあるのには感心する。3位、池田山公園。岡山藩池田家の下屋敷跡は、鯉が遊ぶ池もある立派な公園だ。殊に秋には、都内にいることを忘れさせられるくらいな見事さで、木々が紅く燃え上がる景色を目にすることができる。2位、五反田公園の坂。公園とは名ばかりのそれはそれは狭い空間の横に石畳の坂があり、春には絵のような桜坂へと変貌する。まったく偶然に発見した場所なのだが桜の季節には必ず訪れる。するとそこは静けさの中に、桜の散る音だけが聞こえるような気がするのだった。わぁポエムよポエム。

そしてダントツの1位は、パンパカパーン。ワタクシがお住まいの天守閣(?)で決まり。なんつったって眺めが良い。南には、品川プリンスホテル、エグゼクティブタワー、パシフィックホテルといった品川のビル群や御殿山ヒルズの2棟が見える。そして青い空に白い線を引きながら行き交う飛行機も程よい大きさで見ることができる。西にまわればインドネシア大使館、美智子皇后のご実家の跡地「ねむの木公園」、ついこの間まで小泉くんが仮公邸にしていたコバルトブルーの屋根をもつ屋敷や、田園調布より地価が高いと先日のアドマチック天国でお墨付きのついた豪邸群を眼下に見ることができるのだ。そして何よりも日本一の山、富士山もご機嫌な時にはお顔をみせてくれる。そうそう、ここは世間でいうところの“山手線の内側”。この環境、この景色、誰がなんと言ったって私の中ではNO.1でありOnly1なのだ。来客の貴方が腕を振るうためのキッチンも、使わずに綺麗なままでとってあります。景色を見ながら美味しい手料理をもてなしにいらっしゃいませんか? キャッチフレーズは「シェフを待つ部屋」?