2006-05-21 日
森光子化
「小泉今日子が森光子化してる」って、ワイドショーで聞きかじった話題をアルバイトの梅子が得意げに話している。どうやら、小泉嬢がジャニーズ系の若いオノコと噂になったことを指しているらしい。けれど、それで同等に扱われては私の敬愛する森光子様に失敬であろう。
でも、そんなことを指して森光子化と言われるなら、このワタクシだって最近若いオノコと仲良しよ。森光子化よ。
相手は、隣の部署でアルバイトをしていた山田くんと小池くんだ。山田くんは就職活動のため春先にバイトを辞めた。小池くんは大学の他に専門学校にも行きたいと、山田くんを追うように辞めていった。他部署のバイトさんだったので、そうそうお喋りをする機会も無かったが、合同で送別会をしてあげたおかげで二人と急速に仲良くなることができた。その上なんと小池くんは、私の実家の隣町在住ということがその送別会の席で判明した。「ご実家にお帰りの際は声をかけて下さい」なんて可愛いことを言ってくれる。まさか、声がかかったら逃げようなんて考えているのではあるまいな。今から断る口実を大学ノートに列記したりしてはいまいな。
ぬかりなく2人のメル・アドは確保したので「テスト・メール」から始め、返事が来れば即返信。おかげで週イチくらいは、どちらかのメールと接することができる。2人に送る内容は「雨が降ってます」でも「四つ角にネコが寝ています」でもOK。こういうトコがメールの良いところ、電話や郵便で、こんなことを言っていたら呆れられてしまうだろう。(メールでも呆れてる?)
就職活動真っ最中の山田くん、第一志望はバイトをしていた弊社だったのだが、最後の段階で涙を飲んだとの残念な報告があった。その後も当たっては砕け、当たっては砕けを繰り返しているらしい。今時珍しく、頭に○ソがつくくらい真面目な好青年なんだけどねぇ。就職が決まったら、車の運転免許を取りに教習場へ通うと言う。もちろん、免許を取ったらこのお姉さんを1番に乗せろと脅して、いや「お乗せします」と固い約束をしていただいたので、1日も早い就職の内定を、私は山田くん以上に待ち焦がれているのだ。だって、乗用車の助手席なんて何年乗っていないことか。山田くんが目出度く就職が決まり、運転免許も取れ、ドライブに連れて行ってもらえるようになったその暁には、こちらも何年も炊いていないご飯を炊いて、お握りなんぞも作ってしまおうかしらん。
小池くんは、私がリカコから教えてもらって送った“成分分析占い”で「貴方の80パーセントは、お菓子で出来ています」という回答にエラク感激。なぜなら「僕、お菓子が大好きなんです」。で、1番のお気に入りは“ギンビス製菓の染みチョコ”なんだそうだ。「チョコが染み込んだコーンです。美味しいですよ」なんてメールを送ってこられては、チョコもコーンも好物の私が試さないでおかりょうか。社の帰りがけに寄ったコンビニ『ampm』で見つけ「染みチョコ見つけたヨ」と小池くんにメールを送りながら食べ始めた途端に、そのままはまってしまった。どうしてくれるんだ、絶対に痩せると誓ったばっかりだったのに。そう言えば、返信メールには「カールのチョコレート味が美味しいですよ」ってあったっけ。これも、食べる前からはまるのは目に見えている。益々、ダイエットが遠のくなぁ。
先日、随分前に弊社を退社された先輩方と卓を囲む機会があった。その席では、私が社会人になる前の懐かしい話をどっさりと聞くことができた。東京オリンピックなんて、まだ新しい出来事の部類で、天皇陛下のご成婚の時の話、東京タワーが建った時の話など、懐かしい映画を何本も観賞させてもらった気分になった。そんな中でのやり取りに、こんな会話も混じっていた。「○○さんの話を最近聞かないけど」「○○さんは半年くらい前に亡くなったよ」。「▲▲はどうしてる」「ああヤツも、とっくに死んだよ」。まるで「今日は良いお天気ですねぇ」といったテンションで交わされる会話に、湿ったところはない。あちら側に知己が増えるにつれ“死”というものへの関わり方も変わってくるのだろう。それに引き換え青年達のメールと来たら「とうとう22歳になってしまいました。小さい頃は年に何回も誕生日があればなんて思っていましたけど、この年齢になると2年に1回でいいですね。ずっと20歳がいいです! とはいえ、現実を受け止めますけど」なんて、ちょっと粋がって可愛いいこと。“死”というものの影は微塵もありゃしない。
私の22歳の頃は……おっと、いけない。過去を振り返ってしまっては森光子化はできない。と、思う。御年86歳の森光子さまは常に前向き、そして若いジャニーズのお友達との年齢差なんて歯牙にもかけていないのだろう。ならば、森光子さまよりうんと若い私が年齢を考えてなんとしょう。
私も、2人の青年達の話題についていけるように、前向きにせっせとお勉強をせねば。まずは、ワイドショーで最近のエンタティメント情報を得る。歌番組を見て若者に受け入れられているミュージシャンと楽曲を知る。お笑い番組も見逃せない。と、言ってもこれって、テレビ大好き人間にとっては何の苦にもならないことであり、ごく日常のことだ。そうか、私は私のままで、いつも通りにしていれば青年達とこの先もお仲良しで居られるということか。すっごく納得。
ただ、5月の第2日曜日に「元気で長生きして下さい」なんていうメールを2人からもらい、微妙。これって、母が初めて電車で席を譲られた時「嬉しかったけど、複雑だった」と言っていた気持ちと同じだろうか。
山田くん、小池くん、私は貴方達のお友達ですからね。