ねぇ、知ってた? “1才からのかっぱえびせん”なる商品があることを。「塩分2分の1、カルシウムたっぷりで、小さなお子さんに最適」なんだそうな。いまどきのガキ、いえお子様は離乳食だけでなく、お菓子までもそれなりに成長段階で区別されているらしい。

私がお子様のころは目に入る物、何でも口にしていた。親にだって、刺激の強い物は別だが、大人とほとんど変わらないものを与えられていたのではないかと思う。ほんのちょっと前のお子様である姪たちも、祖父母と優しい伯母に囲まれて昭和の子育てをされたゆえ、タクアンのシッポやスルメをしゃぶりながら走りまわっていたものだ。

最初の子の、それも最初のうちは哺乳瓶も煮沸消毒だの、子供を抱くときには雑菌を取る薬品の染み込んだコットンで手を拭くだのと、そりゃぁもぉ気を使って我が子に接している新米ママさんが多い。そんな風に接していたら超神経質な子供になっちゃうよ。とは言うものの2人、3人と子育てをするうちに、ママ達もたくましくも雑にもなる。昔、男子同級生から聞いたことがある。「姉貴のトコなんて最初の子の時はあれこれうるさかったのに、3人目なんて放ったらかし。砂場で砂食ってたよ」。

今は、一人っ子が多いのでまだまだ手をかけているママが多いのかなぁと思っていたら、人間さまのお子さまならぬ、犬猫にも半端じゃなく手をかけている人が私の周りにもウヨウヨ居た。

昔、姫宮家にいた猫の餌は猫まんまそのままに、残りご飯に鰹節をかけたものだった。鰹節もパックに入った華かつおなんていう、フワフワと風に乗って飛んでいきそうな上品なのではなく、箱型の鰹節削りで、その都度グァッシャ、グァッシャと削ったものだった。ところが今は、キャッツフードが当たり前、残飯などやらないし与えても猫マタギにされるのが関の山らしい。ミルクも「牛乳なんて飲ませては駄目」と言われちゃう。“猫ミルク”というものがあるそうで「雌のミルクに含まれる蛋白質、脂肪、炭水化物と同等のカロリーを供給します。免疫力を強化する核酸(DNA・RNA)を含み、適切な発育と成長に必要なビタミン、ミネラルを供給します」。「ストレスを受けたり消化吸収の高い栄養を必要とする成猫にも使用することができます。ワンちゃんにも使用可能です」だって。これってストレス漬の私にも使用可能でしょうかねぇ。

十姉妹を飼っている人も居る。「迷い込んで来た子があんまり可愛かったので、一人(?)では寂しいだろうと思い、ペアにしてあげたのよぉ」。すると、アッという間に卵を産んで雛が3羽孵り、十姉妹さまご一家が誕生してしまった。寒そうなのでエアコンを入れると、温風の按配がご一家には良くないので、なんとヒーターを取り付けた温室を作ることになったそうだ。「二世帯住居のような二階建てよ」と、飼い主の細田さんは自慢する。しばらくすると又もや卵が2個。このペースでご一家が増えたら大変と、細田さんは「卵を巣の中から出して砂の上に置いておいたのね、孵らないように」。ところが生命力は小さな鳥でも侮れない。2個とも、しっかり孵ってしまった。「柔らかな麦わらの巣の中で孵ったのと、冷たい砂の上で孵ったのとでは気性が違うのよぉ」。餌はガツガツたべるし、人が手をだすとつつくし、顔つきもポワンとした癒し系のお姉ちゃま達とは違い「なんか、きついの、ヤンキーみたい」なのだそうだ。十姉妹ご一家は暑さにも弱い。クーラーもタイマーをつけてのフル稼働。「もぉ、電気代がバカになりません」と言いつつも、「うちのピーちゃんたらね」と、まんざらでもなさそうだ。どうして鳥の名はどこでもかしこでもピーちゃんなのだろう。

虎ノ門にあるスポーツ用品店の看板犬、パグの師寿丸君はバーバリーのレインコートが大のお気に入り。だから雨のお散歩に出かける時それを着せてやると、姿見の前で己が姿をウットリと見つめる。子供の手が離れた従姉妹が飼い始めたミニチュア・ダックスフントのピンキーちゃんは、通販で買った幸せを呼ぶ誕生石入りの、犬用お守りチョーカーなんぞをつけている。1万円也だそうな。こやつ、私と同じ誕生石だって。従姉妹が目を放した隙にいつか奪ってやる。

 “金継ぎ”という風雅な、趣味と実益を兼ねたお仕事を気ままになさっている用賀マダムの美里さんチには、人間様の使う洋式便座に座って用を足される猫のジーク君がいらっしゃる。餌は書画骨董に造詣の深い飼い主様のおかげで、落語そのままに絵高麗の梅鉢に盛られて出される。そうそう、美里さんに叱られたのだった。「餌?! お食事と言いなさい」。

こう考えると、実家の雑種犬チョコは質素なものだなぁ。食べ物もホームセンターで大安売りの日にまとめ買いしたものだし、犬用ミルクなんてもってのほか、人間様の残りの牛乳を与えられれば良い方で、水分はもっぱら水道水だ。

ン、待てよ。あの雑種犬を飼うまでは家族7人で日産サニーに乗っていた姫宮家なのだった。この車では仲間はずれが出るからワンボックスカーのような、家族全員がラクラク乗れる車に変えようと、父・母・姉そして愛妻までもが、声を大にして脅してもすかしてもガンとして車種を変えなかった弟が、やっと手に入れた長男(?)の為には自ら日産プレーリーに乗り換えたのだった。もちろん試乗には長男を連れて行った。

ウーム、実家の雑種犬も人後(?)に落ちないお犬様であったとは。