2006-01-01 日
ありがたや、ありがたや
テレビのトーク番組で「あなたの良いところを30秒以内で10個あげて下さい」という質問にタレントが答えていた。そのことを、知り合いにメールで送ったら自分のことではなく、このワタクシの良いところを10個挙げて返信してきてくれた。
- なんといってもがんばりやさん
- 類い希な鋭い観察力
- 人を逸らさない会話の妙
- 家族や周りの人を思いやるやさしさ
- 何事も平坦に表現できる文章力
- 色々な状況を受け入れる包容力
- 何時も誰にも信頼される判断力
- 人に迷惑をかけない健康レベル
- 半世紀を網羅して余りある記憶力
- 周りが羨む豊かな人間関係
どうよ、どうよ。ワタクシってこういう人よ。エッ、これを挙げたのは少し危ない人だろうって? いくら払ったかって? いえいえ、送って下さった方は学識も経験も豊かで、心根もそれはそれは綺麗な方ですよ。そして的確に人物を判断する能力に長けた素晴らしい方ですよ。
とは言うものの、やはりここまで並べられるとこそばゆい。でも、削りようがないから困っちゃう。そうよワタクシ、自分が大好きなO型気質そのまんまの人なのよ。ただ、この10項目にも納得いかないことはある。まずは最初の“1.なんといってもがんばりやさん”。誰が? 私が? 無い無い。在り得ない。努力とか根性とかいう、東京タワーの展望台で修学旅行生が買って来そうな額に書かれた言葉は、生まれ出る時に母の胎内に置いて来た。たった一人の豚弟も、姉に習って置いて来てしまったものだから、母の体重は半端じゃない。親不孝な姉弟で、お母さんゴメンナサイ。
次に“9.半世紀を網羅して余りある記憶力”。まず、最初の3文字は国家機密で公にしてはいけないことなのだ。そして記憶力?! 「ちょっと前なら覚えているがぁ」と宇崎竜童は言っているけど、ちょっと前こそアヤフヤで、かなり前の鬼のような記憶力を持っていた私は今、何処。そうよそうよ、可愛い幼稚園児のけいこちゃんは町の幼稚園で、一番賢い子だったのよ。なにしろ、5歳児にして小学4年生の知能があると診断されたのだから。卒園の時には、園児総代で「お別れの言葉」を言っている。そう、言ったのだ。当時、小学校入学前に字が読める子なんて殆どいなかった、ほら半世紀も前だから。アッ、秘密だった。話半分の年齢と換算して下さい。
字は読めないが賢かったけいこちゃんは、先生が文章を考え“おとうちゃん”が書いてくれた「お別れの言葉」をまる暗記、当日は答辞を読む振りをして諳んじたお言葉を述べたのだった。この時の文章は今でも言える「わたしたちが、こんなによいこになったのも、せんせいがたのおかげです。しょうがっこうにいっても、おとうさんおかあさん、せんせいのいうことをよくきいて、げんきにべんきょうします。さようなら ひめみやけいこ」。
卒園して小学校に上がったけいこちゃんは、やはり当初は“お勉強のできる子”だった。けれども、それも4年生までの話。素直なけいこちゃんは、4年生にして神童からそんじょそこらの人の子に戻ってしまったのだった。
“6.色々な状況を受け入れる包容力”。これもどうかなぁ。受け入れざるを得ない状況には度々陥ることがある。こんな時は自分で、状況を受け入れるのではなく包容力のある友達に、その都度グデグデ愚痴を言いまくる。だから正しくは“色々な状況を受け入れる包容力を持った友達をもっている”といったところかな。
“8.人に迷惑をかけない健康レベル”。年月を経て腰が痛い、膝が痛い、肩が凝ったと、これもちょっと、いやかなり怪しくなって来ている。このまま進むと、口は達者で憎まれ口ばかりきき、内臓は丈夫で食欲はある。それでいて、体の自由は利かないから人の手を煩わすなんていう、世間で一番嫌われる高齢者になってしまう可能性大である。越後のちりめん問屋のご隠居のように、元気に動き回る老人も家人の苦労のタネにはなるだろうが、その逆もこれまた困ったものだろうなぁ。それが分かっていても、運動は嫌いで面倒くさい。食事も自分では一切作らず外食かパンばかり。これでは、この先どれだけの人に迷惑をかけて生きていくことになるのやら。
結局のところ、これは“大当たり”と威張って言えるのは“10.周りが羨む豊かな人間関係”だけということになりそうだ。とは言っても、家族はこれ以上ないくらい我侭勝手な母と、子供から「心がない」と看破されている豚弟とその一家なので、こちらとは周りが羨むような人間関係とは思わない。しかし、血より薄いはずの他人さまの水には、暖かさを感じ感謝の毎日だ。北は北海道から南はバングラディシュまで、何かの折には心配して、連絡をくれる方々がいる。東京で地震があった時なんて、現地にいる私より詳しい交通情報をアッチからコッチから流してくれる。待ち合わせをすれば、誰かが必ず乗る車両、降車してからの風景まで懇切丁寧に連絡してくれる。それでもキッチリ迷う私を、笑いながら捕獲までしてくれる人がいる。料理を一切しないものぐさな私に、栄養の心配までしてくれる人がいる。パソコンのメンテナンスに足を運んでくれる人がいる…。
ああ、ありがたやありがたや。けいこちゃんが、こんなにノーテンキでいられるのも、皆様方のおかげです。これからも周りが羨む豊かな人間関係だけは保って行きたいと思っている次第でございます。答辞に代えて、姫宮惠子。